健康保険は、「業務災害以外の疾病、負傷若しくは死亡又は出産」に
関して保険給付を行うことと法律で定められており、業務中や通勤途中
の怪我については労働者災害補償保険(労災保険)が適用となるため、
健康保険の対象にはなりません。
このため、労災保険が適用されるような怪我であるにもかかわらず健
康保険を使ってしまった場合は、健康保険組合が負担した診療費(現物
給付)を後日返還していただくことになりますので、ご注意ください。
傷病手当金や高額療養費など(現金給付)を支給していた場合について
も、同じように返還していただくことになります。
また、労災保険においては、一定の症状が残存している場合であって
もこれ以上の医療効果が期待できないと判断された場合には「治癒(症
状固定)」とみなされる場合があり、その後は労災保険からの療養(補
償)等給付は行われないことになっていますが、労災保険における「治
癒(症状固定)」後の治療につきましても、業務災害による傷病と同一
疾病等である場合は健康保険の対象とはなりません。
したがって、健康保険を使ってしまった場合は、現物給付及び現金給
付を後日返還していただくことになりますので、ご注意ください。
※労災保険が適用される怪我なのかご自身では判断しかねるような場合
でも、自己判断もしくは会社判断で健康保険を使うことはできません。
業務中又は通勤途中であるかの認定も含め、労災保険が適用されるかの
判断は労働基準監督署が行っておりますので、まずは勤務先を管轄して
いる労働基準監督署へご相談ください。